株式会社の設立にデメリットってありますか？

よく言われることは、設立にお金がかかるってことですが、実際に株式会社を作ってみると、それ以外にもデメリットというか、株式会社にしなければ良かったって思うこともあるわけです。

会社設立と言えば、株式会社を作ることとイコールな感じがするくらい、株式会社のイメージが強いですが、会社組織、つまり法人には、株式会社以外にもいくつかあります。

一番の比較対象は合同会社ですが、事業によっては、一般社団法人とかNPO法人とか、そういったものでもいいはず。

でも、みんな株式会社を作りたがるのは、設立時にちょっとお金がかかる以外にデメリットを感じていないからだと思うんですよね。
でも、本当でしょうか。

公告義務がある

株式会社には公告の義務があります。
定款にある「公告は官報にて行う」ってヤツです。

決算公告とか、何か重要な決めごとをする際には、公告しないといけないわけです。

とは言っても、中小企業・零細企業の大多数は、決算公告なんてしていません。
でも、一応義務なので、本当はやらないといけないわけなんですよ。

ちなみに、官報に公告を載せるにはお金がかかります。
1枠37000円くらいみたいですが、決算公告は、最低2枠みたいです。つまり、74000円くらいかかることになります。
毎年、決算のたびに74000円かかるんですよ？
ちょっと考えちゃいません？

最近の会社は電子公告という方法も取れるようですが、既に設立済みの会社の場合は、定款変更や登記の変更が必要になります。

役員の重任登記がある

株式会社の場合、役員の任期が来て変更がなくても、重任登記が必要になります。

役員任期は、会社によって違いますが、最長10年になっています。
ですから、どんな会社でも株式会社であれば、10年に一度は役員の登記をし直さないといけないのです。

でもね。
10年ですよ？
忘れますよ。

登記を忘れると、100万以下の過料になります。
まぁ、罰金みたいなものですね。
ちなみに、この過料は代表取締役に科されます。いきなり裁判所から自宅に払えって通知が来ます。

本人だけじゃなく、家族もびっくりですよ。
お父さん、何したの！って

で。いくらの過料になるかは、その忘れた期間とかによって異なるようですが、裁判所が決めることなので分かりません。

じゃあ、法務局は役員の登記が過ぎていることをチェックしているのかと言うと、チェックしているわけでは無く、何か別なことで登記が行われたとき(例えば、移転登記や定款の変更による登記など)に

あれ？これ重任登記とかしてないんじゃね？

ってチェックされるようです。
ですから、発覚したときには、かなりの期間忘れていることになって、それなりの金額になっちゃう場合もあるようです。

まぁ、きちんと役員の登記をしていれば、何も問題ないのですが、役員の変更・重任登記にはもちろんお金がかかります。
自分でやれば、1万円。司法書士に依頼すると、3万とか取られるんですかね。これは司法書士事務所によって違うでしょうから、その時に調べるしかないと思いますが。

何かを決めるには総会とか必要になる場合がある

いわゆる、株主総会ってヤツですね。

毎年、決算が済んだら開催しなければならないですし、自分(＝社長)だけが株主だったとしても、形だけでも開く必要があります。
なぜかと言うと、上に書いた役員の変更登記の際に、株主総会議事録が必要になるからです。

後から、まとめて作るのって、大変ですよ？やってはいけないですが。

だから、しっかり考えましょう

株式会社は、運営面では、面倒なことが多いというか、やらなきゃいけないことを忘れてしまう可能性が高いです。
もちろん、きちんとした組織を作れる規模の会社であれば、問題ないですし、そういう会社は株式会社にすべきかもしれませんが、自分一人で会社を始めるとか、友人数人と事業を始めるというような規模の小さな会社の場合、あまり選択すべきではないかもしれません。

事業によっては、株式会社にする必要があることもあるでしょうが、それ以外の選択肢というのもきちんと検討すべきです。