トリミングサロンで独立したい
トリミングサロンやペットサロンで独立開業するために必要なこと。
いくつかあるので、それをお話しします。
トリミングサロンを始めるには
トリミングサロン・ペットサロンを始めるには、いくつかハードルがあります。
もちろん、店舗や場所、お金といった一般的なビジネスをするためのハードルもありますが、動物を扱うビジネスの場合は、それ以外にも「許認可」というハードルがあるのです。
トリミングサロンを始めるには
- 動物取扱業の届出
- 動物取扱責任者の選任
- 貨物軽自動車運送事業の届出(有料の送迎をする場合)
が必要になります。
トリマーで独立しようとしてネットで検索すると、いろいろな情報が出てきますが、意外と「動物取扱責任者になるためには」ということにしか言及していない記事があることに気づきました。
実際には、それだけではなく、「第一種動物取扱業の届出」が必要なのですが、それにはまったく触れていません。
そうした記事を参考に開業してしまうと、100万以下の罰金に科せられることがありますので、注意してください。
動物取扱業の届出
トリミングサロン・ペットサロンは、「第一種動物取扱業」という扱いになっています。
これには種別があって
種別 | 内容 | 例 |
---|---|---|
販売 | 動物の小売、卸売り及びそれらを目的とした繁殖又は輸出入を行う業 | 小売業者、卸売業者、販売目的の繁殖又は輸入を行う業者 |
保管 | 保管を目的に顧客の動物を預かる業 | ペットホテル業者、美容業者(動物を預かる場合)ペットシッター |
貸出し | 愛玩、撮影、繁殖その他の目的で動物を貸し出す業 | ペットレンタル業者、映画等のタレント・撮影モデル・繁殖用等の動物派遣業者 |
訓練 | 顧客の動物を預かり訓練を行う業 | 動物の訓練・調教業者 |
展示 | 動物を見せる業(動物とのふれあいの提供を含む) | 動物園や動物ふれあいテーマパーク |
競りあっせん業 | 動物の売買をしようとする者のあっせんを会場を設けて競りの方法により行う業 | 動物オークション |
譲受飼養業 | 有償で動物を譲り受けて飼養を行う業 | 老犬ホーム、老猫ホーム |
このうち、トリミングサロンの場合は、犬などを預かってトリミングするので、「保管」の届出をすることになります。
もし、トリミングだけではなく、販売もするような場合は「販売」の届出も必要です。
つまり、行う事業内容によっては、複数の届出をしなければなりませんし、提出する書類も異なる場合があります。
動物取扱責任者
第一種動物取扱業の届出の際には、「動物取扱責任者」が必要になります。
この動物取扱責任者には、誰でもいいわけでは無く、決められた要件を備えた人でなければなりません。
もちろん、あなたではなくて、別な人を雇ってもいいのですが、誰であろうと以下の条件を満たす必要があります。
- 獣医師法の免許を取得している者
- 愛玩動物看護師法の免許を取得している者
- 卒業(獣医学、動物看護学、畜産学などを学ぶ大学、専門学校などの教育機関を卒業している)及び実務経験(半年間以上の常勤としての実務経験がある)若しくは実務経験と同等と認められる1年以上の飼養経験
- 資格(専門性を有する社団法人等の試験に合格している)及び実務経験(半年間以上の常勤としての実務経験がある)若しくは実務経験と同等と認められる1年以上の飼養経験
あなたがトリマーだとすると、3項でしょうから、どこかの店舗で実務経験が無いとダメです。
ちなみに、私は「愛玩動物飼養管理士2級」を持っているので、4項の条件により、実務経験があれば責任者になれるのですが…
貨物軽自動車運送事業の届出
ペットの有料送迎サービスをしないのであれば、この届出は不要です。
でも、もしかしたら他の競合店舗との差別化のために、送迎サービスが必要かもしれません。
その場合には、貨物軽自動車運送事業の届出が必要になってきます。
ただ、上記にも書いたように「有料」の場合だけです。
条件を付けずに無料で送迎を行うのであれば、この届出は不要ですが、無料の送迎サービスは経営的に厳しいことも考えられますし、有料であれば顧客が増えれば、それなりの収入になります(価格設定次第ですが)ので、検討しておいた方がいいでしょう。
まとめ
今回は、第一種動物取扱業の届出について言及していない記事を見かけたので、ちょっと簡単に説明しましたが、こうした届出について、不安があったり分からないことがあるようなら、ミーミル行政書士事務所にお問い合わせください。
届け出も、地域によって異なる場合があります。
例えば、千葉県では、管轄の保健所(健康福祉センター)に届け出るのですが、千葉市・船橋市・柏市の場合は、別に動物保護センターのようなものがあるので、そちらになります。
ですから、行政書士にご依頼いただいたほうがスムーズに進む可能性が高いです。
ミーミル行政書士事務所では、届け出だけではなく、開業の際の融資の相談にも対応できますので、ご検討ください。
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